高齢になると、腰が痛いと感じやすくなるものです。
体の動きが鈍くなってくる中で、精神的に落ち込み、運動する意欲や趣味、家事を行う気力がなくなってきてしまうこともしばしばあります。
体は心の動きにとても敏感です。
まずは、痛みを少なくする、これからも元気でいるために体操を身につけ、前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか。
基本は、一つ目に背骨を丸くしないように伸ばすこと、二つ目に背中をシャキッと伸ばせるような筋力をつけること、三つ目に腹筋の活動を高めて腰を守る力をつけることなどを念頭に置き、その中で自分の症状に合った体操を選んで実践します。
まず一つ目の背骨を丸くしないように伸ばすための体操です。
肩甲骨を上下前後に動かす運動、壁伝いに両手肘を徐々に上げていく背伸び運動、うつぶせで両手肘をつき背中を少し反らす運動などがこれに当たります。
ただし、腰部脊柱管狭窄症を持っている人は、過度に体を反らせることが逆効果になる場合もあるので、注意しましょう。
二つ目の背中をシャキッと伸ばせるような筋力をつけるには、背筋を鍛えることが必要です。
背もたれのない椅子を壁際に置き、座って背中で壁を押す運動がありますが、これは軽負荷であるため高齢者の方でも簡単に実践できます。
もう少しがんばれそうだというときには、四つ這いの姿勢で手や足を上げたり、うつぶせで背中を反らせる一般的な背筋トレーニングを行ってみると良いでしょう。
うつぶせでは、過度に反らせることがないよう、お腹のあたりにタオルを挟んで行いましょう。
三つ目の腹筋の活動を高める体操には、椅子に座って片足(もしくは両足)を持ち上げてキープする体操があります。
なるべく背もたれに頼らず行えるようになると、より力がつきます。
ぜひ実践してみてください。