腰痛を持つご高齢な方に対するリハビリとしては様々なアプローチ方法がありますが、基本的には3つのステップがあります。
まず1つ目には、きちんとした医療面接の中で、腰痛を起こすまでの経緯や腰痛の程度、困っていることの聞き取りをすることです。
この中で、不定愁訴(漠然とした不快感や痛みの自覚症状を訴えるが、それと体の異常との関連がはっきりしないもの)があるようなら、治療としての手技よりも、安心できるコミュニケーションの確立や不安に思っていることの解消を優先した方が腰痛軽減に効果があります。
手技を受けることで、「これがなければ治らない」、「これを受ければ治るから痛くなったらまた受ければいい」といった慢性化を招く場合もあるので、最初の段階で断ち切っておく必要があるのです。
そして2つ目に、どのような原因で腰痛を引き起こしているのかを評価します。
1つめのメンタル的な素因以外であれば、骨の問題なのか筋肉の問題なのかといったところを探っていくことになります。
多くは良くない姿勢を続けていることや生活が不活発になって筋肉が硬くなっている、筋力が落ちていることが問題点となりやすいので、話を聞きながら見つけていきます。
3つ目に、手技、または原因を取り除くために必要な運動の指導となります。
柔軟性の改善にはストレッチを、筋力アップにはトレーニングの指導を行います。
多くは両方の指導が必要となります。
重要なのは、また腰痛をひどくすることがないように日常生活で気をつけてもらうことを確認するということです。
「リハビリで治してもらう」というよりは、「自分の体だから、自分で良くするぞ!」という主体的な気持ちを高めてあげることが、痛みを改善させるためには大切です。