腰痛を感じて受診する患者のうち、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など病気の原因が特定できる腰痛患者は全体の約15%程度しかおらず、残りの85%もの患者はぎっくり腰を含めて病態不明なのです。
その病態不明の中でも、内臓疾患で発生する腰痛も存在します。
それは、体の中心である胴体の内部には内臓が詰まっており、臓器に異常が発生し肥大化すると詰まっているが故に他の臓器を押すこととなり、最終的にはお腹や腰を圧迫して腰痛を引き起こすのです。
腰痛を引き起こす内蔵疾患として代表的なものを挙げると、慢性胃炎があります。
胃と腰といわれると関係性が無さそうに感じますが、胃が弱ることで腰痛に発展する場合があるのです。
その原理は、胃などの内臓が疲労により弱ると内蔵自体が硬くなってしまうのです。
そうすることで、内臓を支える役割を持っている周囲の筋肉も衰えることになってしまい硬くなり、筋肉が吸収してカバーしていた圧力が腰への負担へとなってしまうのです。
そうなると、腰部の筋肉が圧迫されることによって血流が悪くなってしまい、腰痛を発生してしまうのです。
内蔵の疲れから発生する慢性胃炎は病院で検査を受けると実際に反応がある場合もありますが、胃が疲れているだけで検査の数値上は異常なしと判断される場合もあります。
慢性胃炎の治療法は2パターンに分かれ、胃酸が逆流したり胃に潰瘍が発生するなどしている場合は、胃酸の分泌を抑え、胃粘膜を保護する薬で治療を行います。
また胃の運動が鈍くなっている場合は、胃の蠕動運動を高めて消化酵素によって消化を助ける薬にて治療が行われます。
これらの他にも生活習慣の改善も非常に有効であり、アルコールや脂質など胃に過大な負担を掛ける飲食物の取り過ぎには注意が必要です。