女性にとって腰痛は腰の筋肉や背骨の痛みだけではなく、男性にはない婦人病の可能性もあるのです。
それは女性特有の臓器である子宮の病気である「子宮筋腫」といった病気の併発症状として腰痛が発生する場合があるからです。
子宮筋腫とは子宮を形づくる筋肉に発生する良性の腫瘍です。
それ自体が生命を脅かすことは無いので、筋腫が小さい場合は自覚症状も乏しく治療も行いません。
そして、定期検診を受けて筋腫が悪性に変化しないか監視する必要があります。
しかし、放置することで筋腫が大きく成長する可能性があり、特に閉経前は女性ホルモンの影響によって筋腫が大きくなることがあります。
大きくなった筋腫は隣接する他の臓器を圧迫する原因となり、膀胱を圧迫すれば頻尿の症状が出ますし、直腸を圧迫すれば便秘などの症状を起こすことがあります。
それと同じように骨盤内の神経を圧迫することになると腰痛として症状が現れることがあるのです。
その痛みは筋腫の出来ている個所や大きさによって異なりますが、ぎっくり腰のように立てなくものから生理痛のように疼くような痛みのものまで千差万別となっています。
その痛みから坐骨神経痛や椎間板ヘルニアと勘違いされる方も多いですが、子宮筋腫の場合は月経異常が腰痛と同時に見られることが多いのが特徴となっています。
子宮筋腫は発生した場所によって子宮の内側にできる「粘膜下筋腫」・子宮の筋肉内にできる「筋層内筋腫」・子宮の外側に出来る「漿膜化筋腫」の3種類に分けられており、子宮筋腫が原因となって起きる腰痛の治療法はホルモン剤などの薬物治療が有効となります。
他にもホルモン剤の副作用が心配な場合は外科手術によって筋腫の切除を行うことも可能です。