腰のヘルニアになると手術をしないと治らないと思っている人も多いようですが、決してそのようなことはありません。
むしろ、手術をしてもしなくても、長期的に見れば症状が緩和される程度はあまり変わらないといわれています。
よほどの重篤な場合を除けば、治療手段として最初から手術が選択されることは稀です。
しかし、その場合もただじっとしていれば良いというわけではありません。
手術以外の治療方法をまとめて保存療法といいます。
これは体の柔軟性や筋力を向上させたり、日常生活における体の使い方を再学習したりするなど多岐にわたります。
その中の一つに体操療法といわれるものがありますが、これは平たくいえば患者が自分自身で体を動かしてストレッチを行っていくということです。
現在、世界で最も一般的に行われている体操療法はマッケンジー法というものです。
これは簡単にいえば、うつ伏せに寝た状態から腕の力だけで上半身を起こし、体を反らせていく動作を基本とする方法です。
日本では従来これとは反対に、腰をかがめて丸くするウィリアムズ体操と呼ばれるストレッチ法が取り入れられてきました。
しかし最近はこれに変わるスタンダードとして、日本でもマッケンジー法が多く用いられるようになりつつあります。
ただし、もちろんこれはどちらか一方だけが正しいというものではありません。
同じヘルニアといってもその病態は人によって様々です。
どちらが自分に合うのかは、自己判断ではなく専門の医療機関を受診する方が良いでしょう。
また、ストレッチと聞くと機械による牽引を思い浮かべる人もいると思います。
これは物理療法と呼ばれる部類の治療方法の一つですが、最近は効果があるとはいえないとされています。