この疑問に対する答えは”Yes”とも”No”ともいえます。
痔を患っている人が腰痛になることがあるかといえば”Yes”ですし、痔が腰痛を引き起こすのかといえば”No”です。
痔と腰痛は因果関係ではなく、その原因に共通点があるのです。
痔とは肛門周辺のうっ血が原因で起きる疾患です。
うっ血とは血の流れが悪くなって静脈に血が溜まった状態のことです。
長時間座りっぱなしや肛門周辺が冷える状態を続けると血行が悪くなって痔になりやすくなります。
一方、腰痛もまた血行不良によって起きることがあります。
デスクワークや車の運転などの座り仕事やレジや警備員のような立ち仕事で腰痛になることは多いですが、これらの仕事は体を動かすことが少ないため血行不良になりやすいのです。
血液は心臓の動きによって動脈を伝い全身へと送られていきますが、心臓に戻る為には静脈周りの筋肉の動きが必要となります。
腰や肛門は心臓より低い位置にあるので、運動が不足すると血が溜まりやすくなり腰痛や痔の原因となるのです。
痔や腰痛になると体を動かすことがさらに辛くなるので悪循環となり、症状は悪化してしまいます。
こまめに体を動かすことが痔にも腰痛にも効果的な改善方法です。
運動不足の他にも痔と腰痛の原因には共通点があります。
体が冷えやすい・姿勢が悪い・喫煙する・ストレスを感じている・お酒の飲み過ぎ・胃腸の調子が悪いなど、どれも血行に影響する物です。
痔になりやすい人と腰痛になりやすい人は生活習慣が似ているので、痔と腰痛の両方を患うことが多くなってしまうのです。
どちらにも必要なのは運動不足を避けることと身体を温めて血行を良くすることです。
生活習慣を見直して、痔も腰痛も予防できれば一石二鳥ではないでしょうか。