中年を過ぎると、加齢から腰痛になったり便秘に苦しめられたりすることが起こりますが、普段何気なく思っているこれら腰痛や便秘には癌を原因としている場合があります。
例外的なケースですが、肺癌が腰痛や便秘を引き起こすこともあるのです。
一般に、肺癌は癌の中でも痛みが少ない癌だといわれています。
肺そのものには痛覚がないため肺が痛むということはなく、肺癌は気付きづらい癌です。
肺癌が分かるのは、息苦しくなったり咳が止まらなくなったり呼吸不全になってからです。
しかし肺癌が肺の下部にでき、それが下腹部に進出すると、脊髄神経が圧迫されて腰痛をもたらす場合があるのです。
この肺癌による腰痛は、重いものを持ったりしていないのに発生し、整体やマッサージを繰り返しても解消されません。
また、どのような姿勢をしていても慢性的に痛みが継続するところに特徴があります。
さらに肺癌の腫瘍が下腹部に進出すると、腸を圧迫して便秘を引き起こすこともあります。
大腸癌は下痢がシグナルとなるため下痢や血便には注意することがあっても、便秘が癌に繋がるというケースはまれで便秘には注意しないものです。
しかし肺癌が下腹部に進出すると、便秘も引き起こすことがあるのです。
癌は、昔と異なり死の病ではありません。
手術や放射線治療で病巣を取り除けば、回復することも可能になっています。
癌治療で大切なのは早期検診です。
早く癌を見つけられればその分手術も楽になり、他の部位への転移も防げることになります。
腰痛や便秘は、誰にでもある症状であるため無視しがちな症状です。
しかし、癌によって腰痛や便秘が発生している可能性もあります。
原因不明な腰痛や便秘が続いているようであればそれを放置せず、一刻も早く病院を受診し、精密検査を受けることが大切となってきます。