古くから症状に合わせて用いられてきた漢方薬は、まさに万病に効く薬といえるものです。
その効果は内科的な症状から外科的な症状まで様々で、腰痛の治療にも漢方は用いられています。
漢方の世界では、腰痛はいくつものタイプに分けられていて、腎虚や血虚、風湿、淤血などで、それぞれに薬の調合が変化していきます。
漢方薬の多くは「ゆっくりと穏やかに効果を発揮する」というのが特徴ですが、なかには速効性のある薬もあるので様々な症状に対応することが出来ます。
例を挙げると、まず日本人で一番多い腰痛とされるぎっくり腰の場合、漢方の世界では淤血に分類されます。
その際に用いられるのは「芍薬甘草湯」や「疎経活血湯」、「八味地黄丸」といった漢方薬が利用されています。
慢性的な腰痛で冷えや湿気などから来るタイプの腰痛であれば「桂枝茯苓丸」や「苓姜朮甘湯」、「独活寄生丸」などが用いられますし、同じ慢性的なものであってもストレスや腎臓などの臓器が関係している場合であれば「牛車腎気丸」「八味地黄丸」などが用いられています。
症状に合わせて用いられる漢方薬というのは非常に様々なものがあり、なかには別の症状に効果があるとされる薬であっても、腰痛に効くというものはあるのです。
これらの漢方薬は、大手薬品メーカーから市販されていることも多いのですが、やはり個人に合わせた形で処方されるのが理想であるため、利用の際には漢方薬を専門に扱う薬局などを訪れ、個別に相談していくことが望ましいです。
ただ、その場合でもかかりつけの医師がいる場合にはしっかりと相談したうえで、現在利用している薬に作用してしまうことはないかなどをしっかり確認したうえで利用していきましょう。