「腰が痛い」という症状で病院を訪れると、まず始めるのが薬物療法です。
腰痛の程度、骨や筋肉などの構造的な状態に合わせて薬が処方されます。
病院で処方される薬をおおまかに見ていきましょう。
一つ目に消炎鎮痛剤は、炎症を鎮めることで痛みを和らげる薬です。
筋肉痛や急性の椎間板ヘルニアなどで用いられます。
腰痛の症状が軽度の場合には、外用薬として湿布や塗り薬が処方されます。
少し痛みが強く何とか落ち着かせたいという時には、効き目が出やすく、やや強度の強い内服薬が処方されるでしょう。
動くこともままならないような強い痛みの場合には、薬物注射として神経(神経根)ブロック、トリガーポイントブロック、硬膜外ブロックなどの注射が行われます。
注射は痛みの回路を遮断するために直接背骨近くに行うことになります。
二つ目に血流改善薬は、主に軽度から中程度の腰部脊柱管狭窄症(LSCS)で使用されます。
LSCSでは神経に栄養を供給する血管の流れが阻害されていることがあり、循環不全を改善するためにこの薬が使用されます。
これは子宮収縮作用があるため、妊娠している女性は使用することができないので注意しましょう。
三つ目に筋弛緩剤は、中枢神経系に働きかけて、凝り固まった筋肉の緊張をほぐします。
急性の筋肉疲労などで使用されます。
四つ目に、抗うつ薬・抗てんかん薬・抗不安薬は、一つ目から三つ目のような筋肉・神経などに対する治療で効果が得られず、内科的な原因が特に考えられない場合は、精神的な原因を疑っていくことになります。
五つ目にビタミン剤は、ビタミンB1は疲労回復、B6、B12は損傷末梢神経の回復を補助する効果があります。
あくまで補助的な役割として処方されます。
六つ目に漢方薬は、一般薬にアレルギー症状を持っている、もしくは副作用が強く使用できない場合に、漢方薬が使用されることがあります。
症状が比較的軽い時に選択されます。
処方される薬に関しては、処方箋に用法用量、副作用などの説明書が一緒に出されることになっています。
鵜呑みにせずよく読んでおきましょう。
自分の体を守ることにもつながります。